週刊アーサー、不定期便

「週刊アーサー、不定期便」の創刊号です。
この日の話しは雪の降るお茶の水でお聞きしました。
雪なのでバイクはあぶないなあと思っていたら、電車で来てくれました。

このコーナーはひとつのテーマを提示して、それについてアーサーが
好きにしゃべるというコーナーです。
記事の中で、ところどころ質問していますが、
実際にはアーサーがずっとしゃべりっぱなしでした。
とても質問をはさむなんて隙はありませんでした。

質問したことは、最初の一言だけです。
さすが自分のことを表現者と呼ぶだけのことはありますね。
ひとつのことから発展して、話しがどんどん広がっていくのですが、
そこに一貫したテーマを感じました。

不定期便ですが、ずっと続けていけるように応援してください。
では、第一話のスタートです。お楽しみください。

最近富みに活動の幅を広げているアーサーですが、まずはこの話しを入り口にいろいろ語って頂きました。 それは、”ユーミントリビュートコンサート「Queen's Fellows」”。 先月日本武道館で行われた「Queen's Fellows」コンサートにアーサーと仲間が映像で出演しました。 どこでそういうことになったのか、その辺から話しがスタートです。

編集

「Queen's Fellows」とはどんなコンサートなんですか。
アーサー ああ、あれはね、1月31日に、あのー、ユーミンの30周年記念のトリビュートコンサートがあって。 で、5〜6バンドが参加して、いわゆるユーミンの作った曲を演奏するのか、歌うのか。
   
  うん、あの〜、彼女は作詞・作曲するのかな、作詞の方が多いのかな? そのトリビュートCDはすでに発売されて、井上陽水とか槙原…ってこの前覚醒剤で捕まった、あとアイコとかいういろんなタイプのミュージシャンが彼女の歌を歌ってんだよね。 そのCDのタイトルが「Queen's Fellows」(クイーンズフェローズ)っていって、そのジャケットに女王の後ろ姿があって、その後ろにバイカーファッションの奴が立ってるわけ。外国人の。モデルを使ったみたいなんだけど。タトゥーもついてるんだけど、なんかステッカーみたいなの。俺らからすればね。
   
  それでコンサートで、演奏者はいるんだけど、その中に1時間弱の映像を大きなスクリーンに、 ミュージックの合間に入れていきたい、みたいな。 結構、なんか凝った感覚で、なんか計画したんだ。
編集 どういう経緯で、ロード・エンジェルスのところに話が来たんですか。
:ザ・ロード・エンジェルス>>>アーサーと松沢氏が率いるバイカー集団)
:松沢氏>>>アーサーの友達で成増教会ってとこの牧師です)
アーサー それを撮る監督さんが、進藤さんって言って、結構業界では知られている…。 いろんな歌手のそういうプロモビデオ作るんだろうな。 その人が撮るということで、ユーミンが本物のバイカーを使いたいって。 CDジャケットを作る時に、たまたま制作会社がすでに俺らのことを知っていて、本当は俺らのことを使いたかったらしいんだけど、そのCDは早く作んなくちゃいけなくてモデルを使うことになった。
編集 その制作会社の人は、どこでロード・エンジェルスのことを知ったんですかね。
アーサー あのー、渋谷で俺ら集会やってんだけど、俺は1ヶ月にいっぺん手伝うんだけど、松沢と。 で、バイカーが最近いっぱい増えてきてんの。あのー、入れ墨の彫師とか、元暴走族のリーダー 張ってたやつとか、まあ、その人たちが俺らの存在聞きつけて…。 で、来て、クリスチャンになって、一緒に乗るようになって。 成増教会だけでも10人くらいいるよ、バイク乗るのが。
 
  渋谷の集会ってのは、ジーザスが好きなんだけど一般 的な教会に馴染めない、そっからはみ出した、 あのー、また、変なふうに思われている、そういう連中が、こう、集まって、来てる集会で…。 タトゥーなんか腕にやってたり、結構自由奔放に自分の思いで生きている。しかし、教会に入っちゃうとクリスチャンはこうでなくちゃいけないという型にはめられる。そうすると、なんか自分らしさがなくなって…。 それはキリスト教とキリストの違いなんだと思うんだけど、一方はリリジョンで一方はリレーションシップというとこだと思うのね。 で、そういうのに馴染めない奴たちが聞きつけて、また、匂い嗅いで、まあ、類は友を呼ぶじゃないけど集まって来てる。
編集 そういう人がたくさんいるんですか。
アーサー たまたま俺達は、利重剛監督のベルリン映画祭で招待作品になった「クロエ」という映画に出て。 俺が牧師役で松沢が花屋の店長で、バイクミッションのメンバーもそこでクワイヤー隊で出てたりして。 その中で俺がおかまに惚れられる牧師なんだけど、そいつがそこの集会に来はじめて洗礼受けたりして。 で、結構面白い連中がいっぱい集まってるんだよ。変わってる連中がね。
 
  松沢もC型肝炎なんだけど、どっかで俺が講演した時C型肝炎の奴がいて、それがアイヌのジャパニーズインディアンでさ。うん、そいつもすごく、いわゆるワイルドな生き方してた奴で、その時すごく落ち込んでいたから俺らの集会に来たらって言ったら来始めたり。
   
  俺の本の中に、松沢が電動ふぐで漏電した話しとかいっぱい出てくるわけさ。奥さんが脳腫瘍になった からマスターベーションやったとかね。そういう話しばっかりするから、そのC型肝炎の奴が「自分は犬 飼ってんだけど、その犬が最近マスターベーションばっかりしてね、とまんないのでマスターベーション のプロの牧師に祈ってもらいたい。」って連れてくる、なんか訳のわからねえ教会なんだけど! でも、すっげー、面白れーんだよ、うん!もう、そういう話しをしながら聖書を語るっていう。 普通じゃもう、あそこは完璧に悪魔の巣だと言われるような、うん。
   
  でもあのほら、聖書の中にさあ、あのー、犯罪を犯して結局本来ならもう石打ちの刑とか、あーもう、 裁かれて当然の奴がね、逃げて、最後の逃れの場所という所に入ったら、そこに入ったらもう誰も 入ってこれないみたいな、そういう教会って言うかね。
編集 ・・・・・。
アーサー んで、ま、そこのぉ、渋谷のど真ん中にあるビルディングの一角を借りて。 ビジネスマンなんかはセミナーやったりする場所なんだけど、そこで俺らは教会やらしてもらってるわけ。 で、そこね、喫茶店もあるの。俺らの集会の隣に、コーヒーを飲めるところがあって。 そこで働いている女の子が絶えず俺らのこと見てて、なんなんだろう?ってね。 バイカーがね、タトゥー入れて、いろんなこう、すっげーアウトロー的な変わった人たちが集まってんのに、 みんな賛美歌歌ってるっていうか、ゴスペル歌ってるって。 んで牧師が2人いるって、訳わかんねぇーけどなんか不思議だってのを彼女が感じて。 そのことをたまたま自分の友達に話しして、その友達が制作会社に働いてんだけど。
編集 なるほど、その女の子から伝わったんですね。
アーサー 彼らは制作会社だから、いろんなことをプランするわけさ。 で、こりゃ聞いたことないなって、興味すごく持ったんだよね。 で、このCDを作るって企画が来た時に、俺らのことが脳裏にあったんだよ。その写 真の部分に本物のバイカー使いたいと。本物の方が当然味があるわけじゃない、バイカーまがいの格好してるんじゃなくて。ようするに芸術っていうのは、本物が一番いいわけでしょ。
   
  そうは思ったんだけど、まあ、ああいう世の中のいろんな企画ってのは、理想はそうなんだけど現実と時間といろんな戦いになっちゃうと、そっち側の方に振り回されて。 結局CDではモデルで写真を作ったんだけど、その30周年記念のコンサートに関しては、やっぱりこう本物でね、本物のバイカーをあれしたいと。 しかも牧師で、クリスチャンで、タトゥーで、そりゃ面白いってことになって。 ほんでその集会やってる場所に連絡して、俺らの連絡先を聞いて、連絡してきたわけ。
つづく
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