以前、ゴッホについてのテレビ番組を見てたら面白かったよ。
ゴッホってお父さんが熱心な牧師で凄く宗教的な人でさ。
彼はそんな環境で育ったからやっぱり影響受けて、
親父のようにならなくちゃいけない、
自分も牧師になるんだって脅迫概念に近いものを持ってたんだよね。
そして神学校に行ったんだけど、
卒業する時に「お前は牧師に向いてない。」って
宣教団体から言われたんだよ。
口下手で、メッセージもあまり上手じゃないからね。
でも彼は訴えるわけさ、
どうしても自分は牧師にならないといけないんだと。
で、何が何でも自分が行く宣教地を与えてくれと。
それで宣教団体はゴッホを、他の人がいきたがらない場所で、
炭鉱夫たちが働いているどうしようもない教会に送った。
その教会でゴッホはメッセージをするんだけど、
そこには顔を真っ黒にした炭鉱夫たちが集まってたんだよ。
そしてメッセージを始めたら、
1人ひとり去って行くんだよ、集会の最中に。
ゴッホはどうしてなんだろうって思って、
後でそいつ達に聞いたんだよ、
「なんで自分のメッセージの最中に出ていくんだ。」と。
そしたら、「あんたはきれいごとを言ってる。
ほんとに俺たちの心を掴みたかったら、
俺達の働いているところで働け。」って言われたわけさ。
それでゴッホもみんなと同じような格好して
顔じゅう炭だらけ汗だらけになって働いて、
わらのベットで寝るようになった。
ある日、宣教団体のトップが視察に来るわけだよ、
どんな働きをしてるかって。
それでゴッホの家に行ったらさ、
ゴッホは汚くて炭坑者のようなぼろぼろの格好。
それを見たトップの連中は彼にこう言ったんだよ。
「お前は聖職者なのに聖職者の格好もしないで、
そんなみだらな汚れた格好をしている。恥を知れ!」って。
その時ゴッホがね、
「神は教会の中に居ない。神は教会の外にいる。」って
名言吐いたんだよ。
ゴッホは炭鉱夫たちに、言葉でメッセージを伝えようと思ったけど
うまく伝わらなかった。
でも、当時の彼の絵を観てみると、
暗闇の中にいる炭鉱夫は炭で真っ黒なんだけど、
そいつたちに光をあててるんだよね。
彼は言葉で心に光をあてることが出来なくて挫折したんだけど、
自分の絵を通して、彼らに救いの光を与えてるんだよね。
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