週刊アーサー、不定期便
<第26回、旅のはなし、浜松編>

そこから次は浜松の聖隷クリストファー学園に行った。
そこで会った知人が、病院施設も案内してくれた。
長谷川保(ハセガワタモツ)っていう、
クリスチャンの人が作ったところ。
彼は最初はクリスチャンじゃなかったんだけどね。
戦前のすごく貧しい時代に結構移民がいて、
その移民団に入ってたんだ。
そこで聖書の話に触れて、
自分は日本を愛してる、自分の同胞のために
隣人愛をあらわすことが必要なんだという使命感にかられた。

日本には、そのころ結核患者がいっぱいいて、
結核にかかるイコール死を意味した。
そういう時代に、結核に罹った人を
自分が保護してケアしたんだけど、
そのことで近所の人の反感をかったんだよ。
自分が結核になったら治して欲しいのに、
人が罹ってケアされてると
近所の人たちはありがた迷惑なんだよ。
自分たちにも移るかも知れないから、
ここでこんなことしてもらっては困る。
あなたの慈善事業はあなただけにしてくれ
みたいなことを言われる。

迫害されて闇討ちにあって、別の場所に行っても
同じような目にあった。
隣人愛を実践するために、
自分は聖書の言葉に忠実に従ったのに
こんなに迫害されたと。
聖書の常識は、世の中の非常識と必ずぶつかる。
形と命、それをいかにブレンド出来るかが
大事なんだけど。
「神様、こんなに迫害を受けて、自分たちは
お金もないしどうすることもできません。
悪いけどあなたに約束したことは、もう出来ない。」
と告白する。
「もう、今日でこんなことをやめます。」
と決めた次ぎの日に、県関係の議員から電話があって、
「天皇陛下から手紙が来てる。
『あなた達のしていることは素晴らしい。』って。
ぜひ、これからも続けて欲しい。」って
お墨付きもらったんだよ。
天皇陛下に逆らったら非国民になる時代だからみんな沈黙。

そして結核の病院から始まって、
そのうちに老人ホーム、学校、養老院、ホスピスがスタートした。
それから、お医者さんがいないような所に、
看護婦とお医者さんをヘリコプターに乗せて
移動する制度も彼がつくった。
政治家になって参議院議員を14年間やってるうちに、
マザーテレサが講演会に来たり、天皇陛下が訪れたり。

今、浜松の地域では、
クリスチャンって言ったら一目置かれるのは、
彼のおかげないんだよ。ハセガワタモツ。
そんな場所で、講演会をしてきた。

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