俺は、岡本太郎の本を読んでるんだけど、
その本の中で岡本太郎はピカソについて語ってる。
彼と同時代の画家は、みんなピカソを祭り上げて、
神のように偶像崇拝する。
「ピカソは素晴らしい!」ってね。
でも、ピカソを神化してしまったその瞬間に、
ピカソを乗り越えない人間になってしまう。
ピカソの下にいて、いつもピカソを崇める人間に
なってしまう。
岡本太郎は、「そうじゃないだろう。
その壁をぶち破って行くことが、
本来ピカソがみんなに望んでいることであり、
彼自身もそうやって生きてきたはずだ。」
って言うんだよ。
これからの社会の中では、
形を上手にこなせるだけじゃだめで、
形の中に「命」を感じさせて、
それを人に伝えていくという人間が求められる。
この前の出版記念パーティーで、
アンドレアという黒人の女性が
歌ってくれたんだけど、
バンドと一緒の曲もあるし、
カラオケを使う曲もあるんだよ。
カラオケってのは、始めと終わりが 決まってるから 、
セットアップしたランニングマシンのように、
自分が走ってるというより、
そのペースに合わせて走らされる。
俺の場合は、ランニングマシンが相手でも、
俺の意志で足を動かして走るけど!
音楽の場合だと、生のバンドと
コラボレートしてお互い即興的に
アジャストしながら歌うのと、
始めと終わりが決まっているカラオケを使って、
その中で歌うのでは微妙に違う。
そこで大事なのは、
始めと終わりという形が決められている中で、
いかに自由に表現出来るかってこと。
アンドレアは、完璧にその形をぶち破って、
聴く人を巻き込んでるんだよ。
その後に、味工房って会社の社長の
三上が歌った。
いつものように、「一秒だって」とか
「愛されてるから」という、
彼の持ち歌。
三上は俺と一緒に日本中
飛び回ってんだけど、
奴は本当はギター1本持って
歌えばいいんだよ。
ダビデが石投げ1本だけで
ゴリアテに勝ったみたいにね。
でも、三上は素晴らしい
オーケストラを使って自分のCDを
作ったから、
その豪華なカラオケを使って歌う。
フリオ・イグレシアスみたいに
タキシード着てさ!
ところが奴はものすごく緊張して
あがるタイプ。
その上、楽譜を見て歌わないと自信がない。
出版記念パーティーが始まって、
最初はクラシカルな雰囲気で
ジャズの演奏がある。
それから食事して、
その後でショーの始まりって感じで、
黒人のアンドレアが4曲くらいガーンと歌う。
その流れのにガーンと乗ってさ、
俺がメッセージする。
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