本物の牧師が語る聖書からのメッセージ!

それから、イエスは言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。

マルコによる福音書、16:15


第887回「世界」

マルコによる福音書の最終章です。ここにはイエス様の復活と弟子たちの不信仰、そして宣教命令が書かれています。今朝の言葉はイエス様が弟子たちに語った宣教についての命令です。視野は「全世界」です。歴史を見ると、エルサレムに留まっていた弟子たちは、そこでの大きな収穫を見ますが、なかなか世界に出て行くことをしませんでした。やがて迫害が起こり、クリスチャンたちがいろいろなところに散らされ、そして福音が広がっていったという経緯があります。

気をつけないと、いつの間にか教会は会堂での活動を中心にしすぎるあまり、教会堂から外に出て福音を分かち合うことをしなくなることがあります。いろいろな事情がありますから、いつでも「外」のことを考えることはできませんが、しかし、「世界」を考える視野はいつでも必要なのだと思います。

基本的に、私たちが福音に励まされつつ生活すべき場は「会堂の外」であり、世界に視野を広げつつ生きる必要があるのです。福音が、隣の家の人にも、そのまた隣の人にも届けばいいなあという意識はいつでも大切なものなのだと思います。誰かがこのビジョンを継承し、日本にまで来てくれたからこそ、私たちに福音が届きました。うれしいことです。これはそのまま、世界の中に生かされている、あるいは世界の中に置かれている自分に気づくことの必要を教えてもいるように感じます。あなたの存在は、世界に通じるとても大事な、他に類を見ないほど貴重なものなのです。

どうぞお元気で。
祝福がありますように。

関根一夫

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