鈴木雪夫、ロシアへ行く
第3回「モスクワ、1日目」
編集 今回は日本から、まずどこに行ったんですか?

鈴木

飛行機でモスクワに行って、というか、行くはずだった。

編集 えっ?だった?
鈴木 世界に名だたるアエロフロート。
あと15分でモスクワに降ります
っていうアナウンスがあったんだけど、
突然、グワーーーーンって、
離れて行くんだよね。
あらーっと思ったら、
「このままペテルブルグに向かいます。
モスクワは吹雪で降りられません」って。
編集 へ〜〜え。
鈴木 モスクワからペテルブルグまで
1時間くらいなんだけど、
機内に足止め。
飛行機の外には出してもらえなかった。
どのくらいだったかなあ、
4時間か5時間くらい。
その間、アナウンスもなにもない。
モスクワに午前11時過ぎくらいに
着くはずだったのが、
ペテルブルグで6時くらいまで待った。
その後給油が始まって、
あと1時間くらいで飛びます
って話しになって、
モスクワに着いたのが夜の
10時半くらい。
編集 はっ、はっ、はっ!へ〜え。
鈴木

スチュワーデスも
「どうしようもないです。」
って感じなんだよ。(笑い)

編集 ヘトヘトですね。
鈴木

ヘットヘトッ!
その時はしょっぱなだったから
ちょっとあせったね。
最初の透析が、着いた日の翌朝、
モスクワで予約してたから。
だからペテルブルグに降りて、
そこで1泊となったらと考えたら、
一瞬パニクるような感じになった。
でも幸運なことに
モスクワに行くことが出来て、
それで次の日、最初の透析。

ところが僕のミスで、
ドクターの名前は分かるんだけど、
病院の住所と正式名称を控えてなかった。
ペテルブルグはちゃんと控えていたんだけどね。
病院の住所一覧があったので
それを頼りに「まず、行ってみよう」
ということになって、行ってみたら、
モスクワの病院ってのは、
受付のドアがこんな狭いところにあって、
しかも2ヶ所くらいしかない。
そこに延々と人がならんで、
いちいちお伺いをたてるんだよ。
OKをもらえたら入れるわけ。
気軽に中に入れない。

そこで聞いても分からなくて、
ドクターの名前を頼りに
教えられた別の病院に行った。
そこの病院では、
「うん、そのドクターは
確かにこの病院にいたけど、
今は別のところにいる。」
と言うことになった。

モスクワ市ってのは、
端から端が50Kmあるんだって。
その病院は反対の端にあるから
フルスピードで行って、車で1時間。
出発する時点で、
すでに予約時間を3時間くらい
経過してるんだよ!

編集 それは、現地の案内の人と一緒に?
鈴木

あと、トロイカの事務所の
ロシア語を話す人とね。
こっちのミスなんだけど、
てっとり早く行く方法が
あったはずなんだよね。
でも、ロシアの人って
なかなかやってくんないんだよ。
コーヒーどうぞとかさ、
うちの病院でもできるよ、
でも出来るとしても
夜の12時からしか
ベットあいてないけど、
とか言われてさ。
「僕は明日コンサートだから、
今やらないとだめなんだ」
って説明して。

…つづく
これがラフマニノフ
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