鈴木雪夫、ロシアへ行く
第4回「モスクワ、2日目」
編集 その日はあけてあったんですか。

鈴木

そのためにあいてた。
他の人はみんな観光やってたけどね。

編集 でも、観光やったみたいなもんじゃないですか。
鈴木 そうなんだ。
結果的には、あれも見たこれも見たってね。
予約は朝の10時だったんだけど、
病院に着いた時にはすでに4時半。
そっから透析開始。
よううやく病院にたどり着いてもうヘトヘトです。髪の毛、パヤパヤだし。
編集 やれたんだ。
よかったですねえ。
やり始めたら日本と変わらず?
鈴木 うん、
寂しいところで、
機械も結構旧式なんだけど、
一応問題なく。
透析開始。
透析中。
ちょっと旧式
ただ、あんまりケアー
してくれないんだよね。
透析って、
やってる最中に血圧が
すごい変わるんですよ。
下がっていくと、
気を失いかける人も多いんですよ。
だから頻繁に血圧を計るんだけど、
そこは最初に計ったきり。
まあ、でも、無事に終わった。
こちらの方が、面倒を見てくれた看護婦さん。
編集 じゃあ、1日目は移動しただけ。
そして2日目は透析。
鈴木

そうです。
終わってホテルに帰ったら、
もう8時くらい。
みんな食事も終わって
「朝の9時に出ていったのに、
なんで帰ってこないんだ。」
って心配してた。

ここが、ホテルウクライナ。

他の人たちは、
その日のうちに
リハーサルもホールでやったんですよ。
そこは世界的な音楽院だから、
いろんな関係者や合唱団の指揮者も
リハーサルを見に来て、
「ふ〜ん、」って冷ややかな感じで
聴いてたらしいんだよ。
事務所の社長が僕のところに来て、
「鈴木さん、
あなたは本番だけの隠し球だから。」
って言うんだよね。

編集 なるほど!
鈴木

その「ふ〜ん」ってやってた指揮者が、
本番聞いたら態度が一変してしまって!

編集 ほんとに隠し球だったんだ。
鈴木

うん。
オクタビストがいるんだってのが、
ちゃんと分かったらしくてね。

…つづく
これがラフマニノフ
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