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その日はあけてあったんですか。 |
鈴木
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そのためにあいてた。
他の人はみんな観光やってたけどね。
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でも、観光やったみたいなもんじゃないですか。 |
鈴木 |
そうなんだ。
結果的には、あれも見たこれも見たってね。
予約は朝の10時だったんだけど、
病院に着いた時にはすでに4時半。
そっから透析開始。
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よううやく病院にたどり着いてもうヘトヘトです。髪の毛、パヤパヤだし。 |
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やれたんだ。
よかったですねえ。
やり始めたら日本と変わらず? |
鈴木 |
うん、
寂しいところで、
機械も結構旧式なんだけど、
一応問題なく。
ただ、あんまりケアー
してくれないんだよね。
透析って、
やってる最中に血圧が
すごい変わるんですよ。
下がっていくと、
気を失いかける人も多いんですよ。
だから頻繁に血圧を計るんだけど、
そこは最初に計ったきり。
まあ、でも、無事に終わった。
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こちらの方が、面倒を見てくれた看護婦さん。 |
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じゃあ、1日目は移動しただけ。
そして2日目は透析。 |
鈴木 |
そうです。
終わってホテルに帰ったら、
もう8時くらい。
みんな食事も終わって
「朝の9時に出ていったのに、
なんで帰ってこないんだ。」
って心配してた。
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ここが、ホテルウクライナ。 |
他の人たちは、
その日のうちに
リハーサルもホールでやったんですよ。
そこは世界的な音楽院だから、
いろんな関係者や合唱団の指揮者も
リハーサルを見に来て、
「ふ〜ん、」って冷ややかな感じで
聴いてたらしいんだよ。
事務所の社長が僕のところに来て、
「鈴木さん、
あなたは本番だけの隠し球だから。」
って言うんだよね。
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なるほど! |
鈴木 |
その「ふ〜ん」ってやってた指揮者が、
本番聞いたら態度が一変してしまって!
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ほんとに隠し球だったんだ。 |
鈴木 |
うん。
オクタビストがいるんだってのが、
ちゃんと分かったらしくてね。
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…つづく
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