鈴木雪夫、ロシアへ行く
第9回「ペテルブルグ、2日目」
編集 汽車の中の弁当はどうだったんですか。

鈴木

あれは、まあまあ。
サラミとチーズとヨーグルト。
あと、瓶詰めのイクラ。
それをパンにのっけて
サンドイッチで食べるんだけど、
それはまあまあ。
うん、あっちのほうが
おいしかったな。

編集 やっぱりいまだに流通 とかが悪いんですかねえ。
鈴木 おいしく食べられるものを
つくるという発想に、
まだいってないんじゃないかな。
モスクワのホテルでも、
近くにお店があったから、
行ってみた。
そんなに大きくないところだけど、
お酒とかチーズとかが並んでたから
入ってみたんだよ。
そしたら、豚肉の塊が2つ。
鶏肉が一羽そのまんまで2つ。
チーズが4、5本ポンポンポンと
置いてある。
店員さんも「ふ〜ん」って感じで
座ってるだけ。
たばこやガムの売り場には
小さな窓があいてて、
そこに人の顔が見える。
その窓にむかって欲しいものを言うと、
それが出てくる。
編集 自動販売機じゃないですか。
鈴木 僕らから見ると、
絶対量が少ない
と思えるけど、
それでも以前に比べると
格段によくなったって言ってた。
編集 う〜ん、世界は広い。
まだそんな感じなんですねえ。
鈴木

サービス業って感覚が
ないんじゃないかな。
まだ時間がかかるよ。

編集 それで観光は出来たんですか?
鈴木

次の日は
午後からコンサート
だったんだけど、
その日の午前中に
やっと出来た。
エカテリーナ宮殿といって、
エカテリーナ女王が別荘として使っていたところ。

編集 ロシアくわしいですね。好きなんですか。
鈴木

いや、全然。
この宮殿がねえ、
どう見ても全長300mはある。
冬の間の別荘らしいんだけどね、
教会付きの。
ここには世界から取り寄せた美術品が
あるんだけど、
日本の古伊万里も壁に埋め込んであった。
庶民の生活は貧しかったはず
なんだけど、贅の限りを尽くしてたんだね。

編集 はあ、革命が起きるはずですね。
鈴木 午前中に観光をして、
午後からはコンサート。
スモールヌイという大聖堂。
今は観光地になってるけど。
その大聖堂は、
昔火事で屋根が焼けたそうなんですよ。
火事で屋根が焼けるというのは、
悪魔が降りたということで、
そこでは礼拝しなくなるんですよ。
そこにちょっとでかい聖堂があって、
不便な場所ではあるけど、
とにかくそこでやろう
ということになった。
そこに地元のテレビ局が4つ来たんですよ。
編集 どこかで情報を聞きつけて
来たんですかね、
日本からすごいのが来たって。
鈴木 すごいかどうか分からないけど。
夜汽車のお弁当。これはなかなかの味だったらしいです。
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