鈴木雪夫、ロシアへ行く
第10回「ペテルブルグ、3日目」
編集 どこかで情報を聞きつけて
来たんですかね、
日本からすごいのが来たって。
ここで
歌いました。
みんなで
入って行きます。
すでにロシア化しているメンバー。

鈴木

すごいかどうか分からないけど。

編集 変わったのが、来た?
鈴木 日本人のくせに
スラブ語の曲をやる、
というような意味じゃないかなあ
と思うよ。
編集 ところでその合唱隊
というのは何人くらい?
鈴木 36人ですね。
編集 演奏はどうやってやるんですか。
鈴木

アカペラ。

編集 あ〜あ、アカペラで。
鈴木

晩祷のような宗教曲は、
ずっと埋もれてたんだけど、
その曲を日本人がスラブ語でやる
ということで、
テレビ曲が来たんですよ。

テレビに出演。右端が雪夫さんです。

僕がしゃべってると
テレビ局の人たちが
「ロシア民謡を歌ってくれませんか?」
って、やって来るんだよ。

編集 やばい!
帰れなくなっちゃいますよ。
その声を聞くと、
他人のような気がしなくなるんですかね。
鈴木

そうだろうね、
こういう声を聞くとね。
なんで日本に
こんな声の人がいるの?
って嬉しそうに寄ってくるんだよね。
まあ、その演奏もよかったんですよ。
その会場に合ってたね。

みなさん熱心に聴いてます。

編集 そこで1日。
1回公演ですか?
鈴木 そう、夜1回。
もう亡くなった人なんだけど、
ロシアの現代作曲家で、
シュベリドフって人がいるんだよ。
ソビエト時代の人。
そのシュベリドフの甥にあたる人が
コンサートに来てたんだよ。
その人が指揮者のところに来て、
「叔父のシュベリドフが作った
合唱曲があるんだけど、
ロシアではあまり歌ってくれない。
この低い音が出ないとだめなんだけど、
あなたたちの合唱団には
オクタビストがいるから、
やってくれないか。」
って言ってきたんだよ。
コンサートの翌日には
メンバーは日本に帰ったんだけど、
僕は3度目の透析があるから
もう1日滞在して、
透析が終わってから、
指揮者夫妻と事務所の社長と一緒に
シュベリドフの甥の家に行ったんです。
やさしそうなお医者さんと、えらいきれいな看護婦さん。透析を終えて。
彼は非常に敬意を表してくれて、
「これが叔父さんの楽譜なんだけど、
ちゃんとオクタビストが
いるからやってくれませんか。」
ということで、楽譜をもらってきた。
出版したのはいいけど、
誰もやらないんだって。
CD-ROMでひとつだけ録音が残ってるけど、
ロシア人じゃなくて
フランスの合唱団に
歌ってもらったんだって。
エカテリーナ宮殿のレストラン。今回は食べ物の写 真、多し。
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