鈴木雪夫、ロシアへ行く
第14回「帰国の途、その2」
編集 JALを見た時は、ほっとしましたか?

鈴木

ほっとなんてもんじゃないね。
「ああ、これで安心して乗れる」
って思ったね。
これで無事に帰れる。
それはもう切実な思いでしたね。
搭乗までJ
ALのラウンジで待ってたんだけど、
そこはいろんな食べ物があって
全部食べ放題。
まずは、おいしいコーヒー。
指揮者の奥さんが、
「おかゆがありますよ、
中華粥がありますよ」
って言うから
「よし、食べよう!」って。
その1週間で初めて米の味がしたね。

編集 そのラウンジは
日本と同じ感じなんですか。
鈴木 うん、JALのラウンジだからね。
中華粥の次は
中国製のカップラーメン。
僕は食べなかったんだけど、
指揮者と事務所の人が食べて、
「うまい!」って
2杯もおかわりしてさ!
そして食べ終わったら、
今度は爆睡!!
起きたらもう搭乗時間ぎりぎり。
あっという間の4時間だったよ。
JALの機内に入ったとたん、
「ああ、これで無事に帰れる。」
って思った。
そう思えるくらい、
スチュワーデスの人の笑顔が
安心感を与えてくれた。
JALのラウンジで
たっぷり食べて
お腹いっぱいになってたんだけど、
機内食がカレー。
しかもビーフ。
これはもう食うしかないだろうって
思って食べたよ。
やっぱりおいしかったね。
編集 そうですか。
鈴木 ロシアは冬の時期、
あまりの寒さに
生野菜や
そのほかの食料品が
非常に不足しているんだよ。
ホテルで出る物は
あんまり口に合わなかったんだけど、
エネルギーのつもりで食べてるからね。
そういう事情もあったから、
JALの機内食はうまかったよ。
編集 日本再発見って感じですね。
鈴木

そう、
まあ、それはよく言う話しだけどね。
でも、それはそうですね。

編集 透析という、
他の人は味わうことのない
経験までしたわけですからね。
鈴木

そうね。
まあ、やらなきゃいけないことだから。
合唱隊の編成も、
パート別に3人ずつくらい
いるんだけど、
オクタビストは
一人だから
僕がこけるわけにはいかない。
そのためのコンディション維持
という意味も、
透析にはあるからね。
コンサートがうまくいくようにと、
それだけを考えて
ある程度の緊張感を持ってたからこそ
無事に成し遂げたという感じ。
普通の健康人でも
ちょっとハードなスケジュールだったよ。
でも、まあ、面白かったな。
ペテルブルグには、また行ってみたい。

編集 ある意味
どこもゆっくり見てないですもんね。
JAL機内食のビーフカレー。うまそうです。
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