一般に糖尿病の食事療法というと、
日本糖尿病学会の推奨する食事療法の事である。
入院した病院でもこれにのっとって
お医者さんと栄養士さんの連携により
ダニエルの食事は決められていた。
まず、お医者さんが彼の体型と
日々の活動の強度とを加味しつつ、
一日に 摂取できるカロリーを決めて栄養士さんに指示。
これをもとに栄養士さんは、
穀類・いも類、果物、肉・魚などのたんばく質、
乳製品、油脂、野菜、 これら6カテゴリーを
正しいバランスで配分して献立を決める。
そして、ダニエルに許された一日の摂取カロリーは
1600キロカロリー であった。
つまり一食分500キロカロリー強。
これって、かなり過酷なダイエット食ではないだろうか。
が、何事にも一家言を持つダニエルである。
言ってみれば「和」の粗食とも言える
この食事療法を黙って受け入れるはずもなかった。
そこで登場したのが、
かねてより彼が傾倒していた、
ZONE DIETという 食事療法である。
これは、アメリカの生化学者
バリー・シアーズという人 が
編み出した食事療法で、
日本では「4・3・3ダイエット」
という名で 紹介されている。
ごく簡単に言ってしまえば、
一回の食事の摂取カロリー の割合を
「炭水化物:たんぱく質:脂肪=4:3:3」
となるようにする のだそう。
すると、その後数時間、
身体が極めて良好な状態に
保たれると いうのだ
(このメカニズムも詳しく説明されているが、
まぁ、かなり複雑 なので省略する)
この時、身体は脂肪を
燃やそう燃やそうとする状態に あるので、
特に運動などしなくても
適正体重まで落とすことができる。
し かも、筋肉や骨量を減らすことなく、
減ってくれるのは脂肪だというのだ から、
信じられないくらいありがたい話だ。
そして、病気、しかも難病にも効くらしい。
まだまだ臨床例は少ないが、
アメリカでの実験では、
いわゆるアメリカの糖尿病学会推奨の食事を
摂ったグループと、
ZONE DIET のグループとの比較では、
ZONE DIETのグループの方に軍配が上がった、
というのだ。
実は我が家では、今回の糖尿病騒ぎの前から、
ダニエルが率先して
このZONE DIETを導入していた。
食事時には必ずペプシを飲みたい彼は、
ご 飯やパンを我慢。
なぜなら、ペプシとご飯両方食べると
糖質(炭水化物) の摂り過ぎとなり、
4・3・3のバランスから
大きくはずれてしまうからだ。
従って、食卓はステーキ&付け合せの野菜+ペプシ、
といった感じに なる。
そして彼は自分が実践するばかりでなく、
私にまで強要していた。
私がケ ーキを食べようとすると、
「ユミコ〜、それはcarbohydrate(炭水化物) ばかり。
はい、これも食べて。」
と言って、ハムを持って来る!
え〜、ハムとケーキなんて一緒に食べたくないよ〜、
と思うのであるが、
そこは頑固なダニエルで
負けるのは大概私であった。
また、私の大好物のチャーハンやパスタなどは
炭水化物オンリーの食事として
厳しくチェック された。
それでは、なぜ、
ZONE DIETを実践していたはずの
ダニエルが糖尿病に なってしまったのか!?
まぁ、その話は次回にまわすとしよう。
*ZONE DIET(4・3・3ダイエット)に興味のある方、
こちらのサ イトをご覧ください。
http://www.korm.co.jp/
Yumiko Beck
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