私たちの生活

第11話

一般に糖尿病の食事療法というと、
日本糖尿病学会の推奨する食事療法の事である。

入院した病院でもこれにのっとって
お医者さんと栄養士さんの連携により
ダニエルの食事は決められていた。

まず、お医者さんが彼の体型と
日々の活動の強度とを加味しつつ、
一日に 摂取できるカロリーを決めて栄養士さんに指示。

これをもとに栄養士さんは、
穀類・いも類、果物、肉・魚などのたんばく質、
乳製品、油脂、野菜、 これら6カテゴリーを
正しいバランスで配分して献立を決める。

そして、ダニエルに許された一日の摂取カロリーは
1600キロカロリー であった。
つまり一食分500キロカロリー強。
これって、かなり過酷なダイエット食ではないだろうか。

が、何事にも一家言を持つダニエルである。
言ってみれば「和」の粗食とも言える
この食事療法を黙って受け入れるはずもなかった。


そこで登場したのが、
かねてより彼が傾倒していた、
ZONE DIETという 食事療法である。

これは、アメリカの生化学者
バリー・シアーズという人 が
編み出した食事療法で、
日本では「4・3・3ダイエット」
という名で 紹介されている。

ごく簡単に言ってしまえば、
一回の食事の摂取カロリー の割合を
「炭水化物:たんぱく質:脂肪=4:3:3」
となるようにする のだそう。

すると、その後数時間、
身体が極めて良好な状態に
保たれると いうのだ
(このメカニズムも詳しく説明されているが、
まぁ、かなり複雑 なので省略する)

この時、身体は脂肪を
燃やそう燃やそうとする状態に あるので、
特に運動などしなくても
適正体重まで落とすことができる。

し かも、筋肉や骨量を減らすことなく、
減ってくれるのは脂肪だというのだ から、
信じられないくらいありがたい話だ。

そして、病気、しかも難病にも効くらしい。
まだまだ臨床例は少ないが、
アメリカでの実験では、
いわゆるアメリカの糖尿病学会推奨の食事を
摂ったグループと、
ZONE DIET のグループとの比較では、
ZONE DIETのグループの方に軍配が上がった、
というのだ。

実は我が家では、今回の糖尿病騒ぎの前から、
ダニエルが率先して
このZONE DIETを導入していた。

食事時には必ずペプシを飲みたい彼は、
ご 飯やパンを我慢。
なぜなら、ペプシとご飯両方食べると
糖質(炭水化物) の摂り過ぎとなり、
4・3・3のバランスから
大きくはずれてしまうからだ。

従って、食卓はステーキ&付け合せの野菜+ペプシ、
といった感じに なる。

そして彼は自分が実践するばかりでなく、
私にまで強要していた。

私がケ ーキを食べようとすると、
「ユミコ〜、それはcarbohydrate(炭水化物) ばかり。
はい、これも食べて。」
と言って、ハムを持って来る!
え〜、ハムとケーキなんて一緒に食べたくないよ〜、
と思うのであるが、
そこは頑固なダニエルで
負けるのは大概私であった。

また、私の大好物のチャーハンやパスタなどは
炭水化物オンリーの食事として
厳しくチェック された。

それでは、なぜ、
ZONE DIETを実践していたはずの
ダニエルが糖尿病に なってしまったのか!?

まぁ、その話は次回にまわすとしよう。

*ZONE DIET(4・3・3ダイエット)に興味のある方、
こちらのサ イトをご覧ください。
http://www.korm.co.jp/
                           Yumiko Beck

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