クリエイティブの現場


今回の作品はこれ!

鈴木雪夫
「Feel The Spirit+2」

芸は身を助すくという言葉がありますが、この人を見ているとなんだかそんな感じです。

鈴木さんのプロフィールはこちら

私の知り合いのCM音楽制作会社「スーパーボーイ」のサンプルCDに、鈴木雪夫さんの声が登録されています。今回スーパーボーイの御好意によりその音をここで披露することが出来ました。この原稿も本人が考えたらしいです。笑ってください。↓↓↓

第6話です。
だんだん深いところに入ってきましたね。アーティストとして、作品と向かい合う中で ますます自分が研ぎ澄まされていく感じが伝わってきます。

編 集 スピリチュアルを歌っているうちに、コーラスだけじゃなくて一人で歌っていこうってなったんですか
鈴 木

いや、それはずっと後です。
あくまで僕はコーラスで活きる声だと思ってたから。
コーラスで活かすのが一番いいだろうというのがあって、
その最初にやったカルテットを18年くらいやってるのかな。
最後の1年間が*ジョンスリーとだぶるわけですよ。
カルテットやりながら、空いてる時間で3人でやってたんですよ。
注:ジョンスリー/
小坂忠、岩渕まこと、鈴木雪夫からなる、3人のコーラスグループ。正式名称はジョンスリーシックスティーン)

編 集 へえー!
鈴 木

カルテットやってる最後の頃、僕がずっと悩んでるときに、悩んでるというか、なんかちがうなあと思ってる時に教会に行き始めた。
そのきかっけが*柳瀬さんなんですよ。
柳瀬さんのコンサートがその教会であって、彼のクラリネット聞きながら「やだなあ、こんなのなあ」って思った(笑い)。
なんか堅苦しいなあとかさっ!
注:柳瀬さん/
クラリネット奏者。ユーオーディアというアンサンブルグループをつくり、教会などでも演奏活動をしている)

編 集 (爆笑)
鈴 木 ところがその時、柳瀬さんが僕んとこ来て
「こんどユーオーディアやるから一緒にやりませんか」って言うし、その教会にユーオーディアのメンバーがいて、一緒にやりましょうってことになって…。
そして日仏会館に行ったら*小坂忠さんがいたのよ。
で、その楽屋で忠さんを紹介されちゃったわけ。
それでコンサートが終わってずっと考えてたんだよね。 1ヶ月か2ヶ月くらい。
小坂忠がなんでクリスチャンになったのかなって。
そのことがずっと僕、気になって、ある日突然、なんかのスタジオの帰りに、*ミクタムに電話をして。そしたら忠さんがいたんだよ。
注:小坂忠--->エイプリルフールやはっぴーえんどなどで活動した日本のロック音楽の草分け的存在。現在でも牧師としての活動とともに、ゴスペル音楽の普及に力を入れている。)
注:ミクタム--->小坂忠を中心としたゴスペル専門のレコード会社)
編 集 忠さんが?いましたかぁ。
鈴 木 うん。それで「ちょっと話したいんだけど、これから伺ってもいいですか?」ってことでミクタムに行ったんですよ。
で、いろいろ話てたら忠さんが、「今度スピリチュアルやりたいんだよね。」って言うわけよ!
編 集 はっ、はっー!なんてこった!
鈴 木 僕の声聞いて、「低い声の人とスピリチュアルやってみたいんだよね。」って。
俺は「うーん、やろう!」 って。なんなんだろうね、これは。
そしてジョンスリーという形で3人で初めてやった時に、いままでのカルテットでやっていたモヤモヤってのが、ぜーんぶ解消されたんですよ。
あー、スピリチュアルってこっちむいてんだって。
ああ、ここを向いて歌うんだ、こういうふうに感じるんだとかね。
モヤモヤが、実に晴れやかに解消されて、スピリチュアルを歌うということに関しては一番のベーシックなところがスッと解決されたんですよ。
編 集 じゃあ、ソロ活動ってのはジョンスリーの後?
鈴 木 ジョンスリーが終わった時、僕の知人が、ある歌声運動やってる人に「ポールロブソンの生誕100年が今度来るんだけど、そこで歌える人いないか。」って聞かれて、僕の所に話しが来たんですよ。
その人はポールロブソン委員会かな、そういうのを作ってて僕の前の時に上条恒彦を呼んでやったんだけど、どうも違うと。
やっぱりクリスチャンの人にということになって。
僕は、「ポールロブソンって聞いたことはあるけど、あまりにも声が違いすぎるな。」と思ったんだけど引き受けることにして、そっからソロの曲を始めた。
編 集 ふーん。じゃあそれも自分からポールロブソンをやろうってのじゃなくて、やってくれませんかと。
鈴 木 うん、だから全部受け身なんだけどね。(笑い)
編 集 いやー、いいじゃないですか、そうやって持ってくる人がいるわけですから。
鈴 木 それがきっかけで、「あっ、ひとりで歌えないこともない。」という気持ちが出てきたかな。
それはね、すごっく大きかったですね。そして、俺はジョンスリーの時のように、もう一回教会で歌いたいなって思うようになった。
 
…つづく
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