編 集 |
レコーディング自体は順調に進んだんでしたっけ。 |
鈴 木 |
合歓の郷で2日間やったんですけど、でも実質1日ですね。
朝から晩までやって、休みを入れたらだめだったなあーって思ったんだけど、自分の声が無くなってくるのが分かるから、もう休まざるをえない状態になってて。
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編 集 |
で、一泊して次ぎの日に。 |
鈴 木 |
そ、次ぎの日の朝に新しい何曲かをまたやって。で、それで終わり。
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編 集 |
まあ、それ以上やるって感じでもないですよね。エンジニアの人は始めての人ですか。 |
鈴 木 |
そう、僕とはまったく始めて。 |
編 集 |
声のレンジのこととか、録音するのに気を使ったりするんですかねえ。 |
鈴 木 |
それがわかってなかったんだよ、あんまり。 |
編 集 |
まさか、こんなに低音だと思ってなかった! |
鈴 木 |
さっき言ったみたいにさ、「こんな地味目でいいの?」って気持ちじゃないかな。
「こんなレコーディングでいいの?もうちょっと設備もあるし、楽器もあるし。」ってね。 |
編 集 |
「もっときらびやかにしたら?」ってんですかね。 |
鈴 木 |
でも、ぼくらはそぎ落としたものでやりたいと思ったから。 |
編 集 |
そうですね、そういうのをきちんと持ってないと、なんかふつーのわけのわからないものになりますよね。 |
鈴 木 |
エンジニアにしてみれば、腕の奮いようがないじゃないってなるんじゃないかな(笑い)。
結局それは最後まで後を引いてますよね。
もうちょっと、こう、パリパリってした音で録音したかったんだけど声の方もなくなっていくし、声に対するバランスも微妙だしね。 |
編 集 |
どうしたらいいの!って(笑い)。 |
鈴 木 |
だから全部一発とり。
くっつけはナシ!3回くらいやったら終わり!そん中で一番いいのを選ぶ。 |
編 集 |
まあ、本来のあり方だよなあ、それは。 |
鈴 木 |
うん、だけどそれはすごい冒険じゃない。
やっぱりやる方としては、くっつけられるんならくっつけて、よりいいものを聞かせる、残す。そういうふうにしたい。
今だったら、いくらでもくっつけられるじゃない。
いいとこを全部つなぎ合わせて出来ないこともないわけだから。
ここの小節だけもう一回やらせてってのも出来るじゃない。
ああいう形で繋ぎ合わせていくことで、よりいいものを作るという方が多いじゃない。
一発録りって、自分の恥をさらすようなもんじゃん。 |
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…つづく
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